意外にも第四皇子は若曦の質問にほしいと正直に答える。
続けて、このことを言ったのは若曦が初めてだ、質問が質問なだけに答えるか迷ったが、この機会を逃して若曦を失いたくないと言う。
第四皇子が若曦に心開いてくれたことで、若曦の心もほぐれていき、こうして若曦は第四皇子と心を通じ合わせていった。
一方、第十皇子と明玉はまだ喧嘩中であった。しかし、若曦が第十皇子にわざと離婚をけしかけたことで、二人は互いにどれだけ大事に思っているかに気付き、仲睦まじい夫婦となった。
第十四皇子はその後若曦に託されていた腕輪をようやく第八皇子に返す。第八皇子は、やはり第四皇子を選んだのかと、傍らにあった硯で腕輪をたたき割る。
その後若曦に会った第十四皇子は、宮中に入ってからというもの第四皇子の好みに合わせ茶を選んだり、時には目くばせしていたというは本当かと若曦に聞く。
それを聞き若曦は、第八皇子は何も言わなかったけれでも腹の中では若曦の事を信用していなかったのだと気づき、第八皇子への思いを完全に断ち切った。
その場を離れようと駆け出した若曦は第四皇子にぶつかる。どうしたのかと尋ねられるが、今は言いたくないと言うと、では言わなくてもいいと言われ、第四皇子は今後騙さないし本当のことを話すと若曦と約束する。
この宮中で信頼でき、頼れる人ができたと感じた若曦は、心中軽やかになるのだった。
ある日、皇帝と皇子に茶菓子を供する若曦。皇帝はじめその他の皇子がその菓子を絶賛するなか、第四皇子はお茶でその菓子を流し込んでいた。
第十三皇子がその様子をおかしく感じていたのだが、若曦は第四皇子の茶菓子にだけ塩を入れていたのだ。
第四皇子がお茶をがぶ飲みし、その場を取りなす様子を想像し、思い出し笑いをする若曦。
こんなに心から笑ったのはいつぶりだろうと、考えるのだった。
中秋節が来た。若曦は8年ぶりに第十三皇子と酒を酌み交わし、こんなに文武両道で豪快かつ自由な男が今後耐える10年の軟禁生活を想うのであった。