物語はアメリカから始まります。
母親の死を知った長男「明哲」は、せっかく取り付けた上司との休暇の約束をキャンセルして、すぐさま帰国します。夫の会社がリストラの人員を集めていることを知っている妻「呉非」は不安に駆られますが、そんなことは気にせず自分は一家の長男であることを主張する明哲。
明哲を空港まで迎えに来ていたのは妹の「明玉」。小さいころから母親の男尊女卑の考えのもと、虐げられていましたが、高校卒業とともに家を出て一人の力で社長まで登りつめました。
迎えに来た空港でも仕事の電話、そして母親の葬儀にしてもぬかりなく手配していましたがまるで仕事のよう、初対面の次兄「明成」の妻「朱麗」にも冷たい態度を取ります。
妻を突然亡くした父「蘇大強」は、明成の家にいました。
妻と二人で暮らしていた家に一人で戻りたくないと言い、生気を失くした様子でソファーにずっと横たわっています。しかし、明哲が一緒にアメリカに行こうと言った瞬間、起き上がり着替えを取りに行ったり、元気になります。そんな父親です。
父と一緒に実家に戻った明玉は昔を思い出します。
明哲はアメリカの大学の奨学金を狙って浪人していました。明玉は明成の服を洗わされたり、明成に勉強の邪魔をされたりしますが、母はかばうどころか明玉を責めます。夕食でも母は兄二人にお肉などを取り分けますが、明玉にはありません。
そして父は見て見ぬふり。
そこへ明哲にアメリカのスタンフォードから合格通知が届きます。しかし、奨学金が出るのは学費だけで、その他生活費などは全て自分たちで工面しなければなりません。その額は家族が払えるようなものではありません。しかし、近所の目が気になる母はなんとかアメリカに留学させようとします。